なんだかんだ、読む気にならないとか言ってた割に、読み始めたらスイスイ、そして面白かった。今まで買ってはいたが読んでなかった本の代表で、『屍鬼』なんかもそれにあたる。映画から入ったのがまずかったのか、とにかくテキストの方が、面白かった。過去への遡りはできる限りドキュメンテーションでやって欲しい、というのが希望である。ただ、手記や日記のような物を作成し、それを読み解くなんていうとかなり大部で煩雑になるのだろうから、この作品のボリュームくらいがちょうどいいのかもしれない。
遡る歴史の踏まえ方も良い。良い、なんて書くと偉そうだけれども、作家の年齢が若くなるにつけ、復興期や占領期、戦前から明治大正までの描き方が雑になっていくのを感じるにつけ、どうにかならんものかなあと思っていた。そういう不満はさすがに出なかった。わざわざだめなものをあげつらう気にもなれない。ただ戦中占領期は神話を一番作りやすい混乱期だ。そこをもっと利用してもよかった。
とあるマンションの一室で起こる怪異について、周辺の聞き込みをしていくと、どうも、部屋という点ではなく、広い面において怪異がランダムに起こっているようにみえてくる。そのため、聞き込みの範囲も広がり、そして、過去へとさかのぼる。そして徐々に、怪異の原因の核心へ。。。
核心、それは若干、グダグダな感じもあるのだけれども、それが逆に良かった。
ここのところ、読書が進む。どうしたのだろう。体調が良くなってきたのか。それとも、不安がなくなってきたのか。いや、不安は、たくさんある。それなのに、本を読みたくなる、ということは、何か重荷のようなものから解き放たれたということでもあるのかもしれない。
読書なんかくだらない、という人もいる。図書館なんかいらない、という人もいる。でも、逆に、小生にはそれ以外は何もない。