光朗(ミツルー)の日記

窓際社員のミツルーです。読書かと思えば最近は本当に日記です。

2025-06-01から1ヶ月間の記事一覧

カート・ヴォネガット・ジュニア『ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを』8

複数読書をしだすと、調子のいい時はいいけど、疲れている日はパタッと更新が億劫になる。思えば、書くことがないからだ。いや、ブックオフで、『国のない男』を手に入れたのと、チャールズ・J・シールズ『人生なんてそんなものさ カート・ヴォネガットの生…

カート・ヴォネガット・ジュニア『ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを』7

日曜日の喫茶店は、都心と場末だとそこまで混まなかったりするが、中途半端な街だと、大変に混んでいて不快指数は暑さを軽く超えてゆく。でも、小生は、今貧しい人たちに無償の善意をふりむけるエリオット・ローズウォーターさんの気持ちになりきっているの…

布置・認識・街の中 〜『ベンヤミンとパサージュ論』を仕事しながら読む〜5

ベンヤミンが『ドイツ哀悼劇の根源』という教授資格論文を書いているときに、カプリ島で出会ったアーシャ・ラティスに恋をして、そこから学んだ思考法が、その後のベンヤミンの考え方に強い影響を与えた、ということは、柿木さんの新書でも書かれていたので…

働きながら本を読む・根源・単独者 〜『ベンヤミンとパサージュ論』を仕事しながら読む〜4

三宅香帆氏の『働いているとどうして本が読めなくなるのか』という新書の中で、「花束みたいな恋をした」の男性主人公を演じている菅田将暉氏が、学生時代は他者の尊敬に値するような難しい本を読んでたのに、就職して忙しくなった途端に自己啓発本とかスマ…

カート・ヴォネガット・ジュニア『ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを』6

日曜日は通勤のプレッシャーがないからなのか、本を読む気になれない。だから、更新もとどこおる。書きたいことがあるわけではないので、インプットの刺激がないと、アプトプットできない。することもない。プレッシャーがないと書けないというのは、不思議…

カート・ヴォネガット・ジュニア『ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを』5

なんでちまちま読んでるんだよという声が聞こえるけど、50歳を越えると、目がすぐ疲れて細かい字は追えなくなるし、本に書かれている内容がわりかしどうでもよくなって、途中で飽きちゃったりもする。また、人間関係が複雑になると途端にこんがらがってしま…

皮肉・認識更新・断片の力 〜『ベンヤミンとパサージュ論』を仕事しながら読む〜3

お前のベンヤミンの思い出話ばかりで、全然バック=モースの本を読んでないじゃん、ということではあるんですが、まだ「まえがき」4ページくらいしか読んでない、確かに。でも、もう正直よくね?だいたいわかったぽくね?と思い、こうこうこういうことが書…

石井宏『反音楽史』(新潮文庫)のスタンダール

スタンダールがハマっていた音楽家にモーツァルトがいるけれど、基本的に彼はイタリアオペラが好きで、小生のような公式見解しか知らないものにとって馴染みのないチマローザやメタスターシオについて、色々書いていた。アップルミュージックでなんとなく聴…

カート・ヴォネガット・ジュニア『ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを』4

急に動画から音声が溢れて、慌てているご年配の方をバスの中で見受けるが、3回同じことやったらマスター音声を切ればいいじゃんと思う今日この頃である。4回目も行っていた。なにやってんのかな、と思ってチラリと見たら、本人特段慌ててもいないようなの…

モテない人・歴史・コレクター 〜『ベンヤミンとパサージュ論』を仕事しながら読む〜2

ベンヤミンという人は、思い起こせば我々90年代後半に学生だったものからすると、大学に属さずに、評論的な書き物を続けた、総合的な批評家という印象が強い。文芸作品だけじゃなく、文明批評みたいなところまで手掛けた人で、写真の映り方がかっこいいとい…

窓際・バック=モース・悪あがき 〜『ベンヤミンとパサージュ論』を仕事しながら読む〜

窓際族の仕事の一つは、細々とした書類や資料を作って配布することである。意外に若者も壮年も中年も、もちろん老年も、資料作りが嫌いである。小生は、人と関わらなければ嬉々としてやるから、窓際なれど使い道が多少はあるとみなされていじめられない。こ…

カート・ヴォネガット・ジュニア『ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを』3

エリオット・ローズウォーターは変わり者である。各地の消防士と一緒に飲み歩いて、その愛国精神を称揚するだけじゃなく、なんなら君たちが先頭に立って革命でもやりなさいと言って回るに至っては、まあ要するにいい意味での「変態」である。いや、赤狩り直…

偽善・信頼・ガラスの天井 ~スタンダール『赤と黒』を全部読んだ上で思ったこと~

一章ずつ簡単にあらすじを要約し、その前後に今日の出来事と、その内容に付随して思ったことを「感想」として書く、というスタイルで、『赤と黒』もやってきた。タイトルが通し番号みたいな感じで、何が書いてあるのかわからないものだし、オッサンが書いて…

スタンダール『赤と黒』第二部 第四十五章

万事快調(Tout va bien)、ってったらゴダールにもそんなタイトルの映画あったな(1972)と思って、どんな表現なんだろと調べてみたら、当該の『赤と黒』では Allons, tout va bien, se dit-il, je ne manque point de courage. と書いてあった。まさに万事快調…

カート・ヴォネガット・ジュニア『ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを』2

ドレスデン爆撃の下に、捕虜だったカート・ヴォネガットはいたという。なかなかに壮絶な経験だ。その経験が作風にダイレクトに出ているとは言えないけれども、人に対する期待のようなものがあんまりないところに、惹かれるのかもしれない。幻滅の向こう側に…

カート・ヴォネガット・ジュニア『ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを』1

ヴォネガットJr!名前だけは知っているが、あまり作品を読んだことのない人物の一人だ。先日、『20世紀アメリカ短編選』(岩波文庫)の下巻に所収されている「バーンハウス心霊力についてのレポート」という短編を読んで、やっぱり、偉大な作家だなと思い、…

スタンダール『赤と黒』第二部 第四十四章

ここの章、ジュリアンが孤独を認識した上で、死を見つめ直すシーンだが、自問自答の迫真性については小林正訳はとても良かった。特にこの章については死刑を宣告する側の罪について考察がある。人間、多かれ少なかれ罪を犯すわけだが、その罪を正当化し、偽…

スタンダール『赤と黒』第二部 第四十三章

今日も朝から涼しいかと思ったら湿気がすぐに立ち上ってきて頭まで浸透した。もやに包まれた頭は日々のルーティン以外の事柄を拒否するくらい強固に私の命令系統を支配していた。それもこれも、布団ではなくクーラーをかけ放った状態で畳の上に寝てしまって…

スタンダール『赤と黒』第二部 第四十二章

50代になると色々諦めてしまう。説得して行動変容を促したいあの人も。意趣返しをして、恥辱を与えたいあの人も。ガラッと変わることで、公正になって欲しいあの組織も。全て、自分の無力を痛感して諦めてしまう。日常すら変えられないのになんだ、と思うわ…

スタンダール『赤と黒』第二部 第四十一章 公判

はてさて、感想もあと五つ、泣いても笑っても、ここ2日3日で書き切ることのできる分量である。本来はもっと落ち着いた空間で書きたいのだけれども、一番頭が冴えるのがこの通勤の朝の時間だから、いきおいそこで複数書き込んでおいて、休み時間に微調整、投…

スタンダール『赤と黒』第二部 第四十章 平静

実は、この四十章から四十五章まではなぜか手元に新潮文庫の『赤と黒』がなかったため、光文社古典新訳文庫で読んだ。野崎歓訳である。思えば、小林正訳は、ジュリアンにやたらと気合を感じた。男らしいというか、感情的な昂りが見事に表現されていたように…

世界の悲惨9

小生、路線バスを降りる時になぜか運転手から「ありがとうございました」を言ってもらえない率が有意に低い。

スタンダール『赤と黒』第二部 第三十九章 たくらみ

ありがとう。誰に読まれなくとも書い続ける気持ちで、尻切れで終わろうと、内容がなかろうと、書き続けてきたが1000ビューをいただけた。無駄にエントリ数だけは重ねているので、何人かが毎回見てくれているのだと思うと、それはそれで窓際だが、嬉しい。こ…

スタンダール『赤と黒』第二部 第三十八章 有力者

小生いまだにスターマークの仕組みがわからない。「善き」のレベルで、複数個付けられたり、特別な色のスターマークがあるということはわかるんだが、スターマークをつけようとする際に出てくるポップがあるものと無いものがあって、その区別というか、付け…

長野県青木村のファンキーシャトー

血液検査の結果前だけれども、とりあえず飲んでしまおうと思い、長野県青木村のファンキーシャトーというワイナリーのピノグリ2018を開けました。 ピノグリは酸味が穏やかな白品種でアルザス地方とかロワール地方なんかでよく見かけます。日本でも栽培は進め…

スタンダール『赤と黒』第二部 第三十七章 天守閣

日々、心の痛みに出会う。バーチャルからフィジカルまで。遠い国際社会のこともあれば、三軒隣までのこともある。自分のこの心のやり切れなさのようなものをやり過ごす術も上手になったはずなのに、何を見、何を聞いても、痛い。この痛みは言葉になる。する…

スタンダール『赤と黒』第二部 第三十六章 悲しいいきさつ

しばらく書けなかった。最後の十章を読み、複雑な思いに囚われたからだ。まず、ジュリアンが控訴など、多くの可能性を秘めながら、死刑を選択することについて、若い頃よりも納得がいった。その納得はなぜなのかと考えていたら書けなくなったのである。 もう…

スタンダール『赤と黒』第二部 第三十五章 嵐

『赤と黒』が終わったあと、何を書こうかと思って、少し考えている。もちろん『パルムの僧院』という選択もありだけれど、別にいつまでもスタンダールと戯れていなければならないという法はない。一つの選択肢は、全部読む企画を途中で頓挫している太宰治。…

スタンダール『赤と黒』第二部 第三十四章 才人

さてさて、『赤と黒』も終盤です。残り十一章ほどになってきました。もう、分かってる、漫画やなんかで色々読んできた、物語の終わり。 ジュリアンの結婚がレナール夫人の手紙で完全におじゃんになり、それでジュリアンがキレてレナール夫人を撃ち、レナール…

スタンダール『赤と黒』第二部 第三十三章 弱気地獄

「弱気地獄」っていうタイトル、なんだこれと笑ってしまった。この章は、ジュリアンがめっちゃラ・モール侯爵に叱られて、いやもう殺されても仕方ありません、みたいに言うことにある。ジュリアンは、自分の恋路を阻害する障害として、侯爵をみているわけじ…